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Second Storm

昨晩、衝撃のニュースが走った。Lehman BrothersがChapter 11(破産法11条)を申請し、Lehman Brothersを買収すると言われていたBank of AmericaはMerill Lynchを買収・・・。一夜にして四大証券の半分が消えてしまった。
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週末のクラスでも当時は再建交渉中のLehmanの話題で持ちきり。次はAIGとMerillとか・・。クラスメートの約40%が金融機関関係者で、Lehman, Neu Berger, Merill, AIGとニュースに名前の挙がっていた金融機関を含めてメジャーな金融機関は一通りクラスメートがいる事もあり、該当金融機関に勤めるクラスメートは授業中も出たり入ったり・・・。僕はと言うと「一昔前」に合併を経験してる身として、「当時はどうだった?」と質問攻めに。会社が隣にある事もあり、日曜の帰る時点ではLehman勤務の友人と今日ランチを食べる予定だったが、出社してみると本社の前には幾つものアンテナが立ち並び、TV局の中継の陣取り合戦の様相。
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当然、ランチも順延。1人ランチを取りながら新聞を読んだらWall Street Journalで90
年代後半における邦銀の苦境と対比しながら、今回の危機に対する当局の対応が検討
されていた。大まかな概略は以下の通り。
【概略】
・ 日本が経済危機に晒されていた当時、不振に喘ぐ邦銀に対して断固とした行動を採用するよう米国は促した。日本はその助言を聞き入れず、危機は数年間にわたって続くことになった。今や、危機によって足をすくわれ、かつて自らが提示した苦い薬を呑み込まねばならない見通しに直面しているのは米国だ。

・ 日本では株式バブルが1990年に入って急速に収縮、その後まもなくして不動産バブルも同様の道を辿った。多数の借り手は債務を返済することができず、銀行のバランスシートには不良債権が積み上がった。長期にわたる景気の低迷も事態を悪化させることになった。金融システムが巨額の不良債権を背負わされていたことから、銀行が問題の深刻さを認識し、銀行の一部が閉鎖される必要があった。しかし、債務超過となるような措置を採ろうとしない邦銀は、自らの問題を認めるのを拒み、危機を長引かせることになった。

・ 「日本から米国が得た教訓の1つは、問題を素直に認めるのを拒めば大きな災厄につながるということだ」とシカゴ大学経営大学院教授のカシャップ氏は述べる。

・ 米国の金融各社も、与信の損失規模を素直に認めるのに苦労してきた。1年前、Bear Sternsは住宅ローン関連の与信について損失を覚悟した上で、これをなかなか売却しようとはしなかった。住宅価格の下落がモーゲージ債に悪影響を及ぼし続けるにつれ、そうした決定が結局は裏目に出て、Bearは政府の主導によって破格値でJP Morgan Chaseに売却されることになった。一方、Merill LynchのCEO、セイン氏は今年1月当時のインタビューを通じ、「Merillの問題は大半が過去のものとなった」と述べていたが、7月になると、同社は300億ドル以上に上るモーゲージ関連の資産を、多額の損失を出して売却している。

・ それでも、かつての邦銀に比べると、米国の金融各社は著しく迅速に損失を認識している。モーゲージを細かく小分けして取引可能な証券としたことがモーゲージ問題の悪化に一役買った一方、会計規則によって、金融機関がそうした証券の損失を隠すことを難しくした、とプリンストン大学の経済学者、シン氏は指摘する。対照的に、邦銀は不適切な借り手に対して貸出を続け、債務問題の規模に関する認識を先延ばしにすることができた。

・ 1週間前、政府が接収したFannie Mae(連邦住宅抵当金庫)とFreddie Mac(連邦住宅貸付抵当公社)の2社は、その苦境の程度を評価することを、より困難なものとする規定の下で運営されていた。しかし、財務省はFannie MaeとFreddie Macの両社に対し自らの問題を素直に認めさせるなど、不振の邦銀に対する日本の大蔵省(当時)による対応よりも、強硬な態度で臨んだ。バーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長が大恐慌時代におけるFRBの過ちを繰り返してはならないと決心しているように、ポールソン財務長官は1990年代における日本の過ちを繰り返さないと決意している、とUC Berkeleyの教授(経済史)、ディロング氏は述べる。

・ 1990年代の日本とでは、最も共有できそうにない問題の1つは、金融セクターが必要とされている以上に巨大化していることであるのかもしれない。「仮に持続不可能であるほどの貸出ブームが起きれば、当然のことながら、貸出は縮小されねばならない」とピーターソン国際経済研究所の副所長、ポーゼン氏は述べる。

・ 日本では、これが起きなかった。問題銀行は破綻するよりも、むしろ健全行と合併した。しかし、いくら合併した銀行の支店がほぼ同一地域に重複したとしても、職を失う従業員はほとんどいなかった。キャパシティの縮小に必要とされても、金融システムに対するシステミック・リスクが生じる懸念から、米当局は金融機関を閉鎖をさせないにようにするのではないか、とポーゼン氏は不安を示す。

・ この意味で、今週末に米当局が採用したウォール街への強硬策は有望なものである。JP Morgan ChaseによるBear Sternsの慌しい買収に対して提供した政府の金融支援を、Lehmanの買収に際しては拒否したことによって、米当局は経営不振の金融機関を破綻させようとする意思が日本の当局よりも遥かに強いことを示した。また、多くの金融機関は邦銀が逡巡していた事業の削減にも、すでに乗り出している。

・ 米国は日本と異なり、断固とした態度で臨んでいる一方、日本が問題に対処するのに躊躇した理由があったことを記憶しておく価値はあろう。即ち、金融セクターの問題を認識することによって、皆が出口(逃げ口)に駆け込めば信用市場の行き詰まりにつながる可能性が急速に増し、そうなれば経済全体が大きなリスクに晒されるという点である。金融セクターが急速に縮小されれば、数万人に人々が職を失うなど、社会的なコストを伴うことも考えられる。
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記事の内容に関して思うところも無い訳ではないが、少なくとも記事の通り、日本とアメリカでは雇用慣習がだいぶ異なる。クラスメート・テニス仲間等、Lehman Brothersには友人が何人かいる。彼らのこれからが気になる。同時にまさか日米両国で金融の嵐に巻き込まれるとは思ってなかったが、仕事、忙しくなりそうだ・・・。

by Rossi-ny | 2008-09-15 22:12 | Thoughts  

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