2009年 09月 01日 ( 1 )

 

Japanese Election

日本の総選挙で民主党が地滑り的な大勝利を収めたニュースは、米国内のメディアでもこぞって
取り上げられた。総じて「様子見」的なアプローチの記事が多かった印象だが、主として今後の
日米関係への影響についての米国側の見方をWall Street Journal(8/31付)を中心に纏めてみた。
Quote
・日本の与党指導部による政策形成が機能不全に陥っているようにみえ、ここ数年間徐々に欲求
 不満を強めてきた米国政府は、共通した目標の達成に向けた効果的な取り組みを新政権に望ん
 でいる。
・日曜(30日)に行われた衆議院選挙に勝利した日本の民主党(DPJ)は、外交政策の要として
 米国からの独立性強化を誓っている。しかし、日米関係に関わる専門家筋は、世界的な自由
 貿易の促進から北朝鮮の核開発封じ込めに至る両国共通の問題に対する自民党の協力はこれ
 まで生ぬるかったとみるなど、今後の両国関係に特に深刻な亀裂が入るとはみていない。
・前駐日米国大使のシ−ファー氏は、同氏在任期間中の2005年から今年初めにかけて自民党の
 支持率が急落したことを指摘しながら、こう述べる。「政府が政治的な資源(能力)を持ち得
 ない場合、事態は深刻化する」と。「願わくは、今回の選挙によって、そうした困難な事態
 が解消に向かうことを望みたい。国際社会における日本の役割の強化を望みたい」と同氏は
 述べる。
・米政権は声明を通じて、「今回の政権交代にも拘わらず、強固な日米同盟と両国間の緊密な
 協力関係が今後とも発展を遂げていく、とオバマ政権は確信する」との見方を発表した。
・しかし、米国の高官やアナリストは、日本の新政府がその効果的な力を発揮できるまでには
 時間がかかるとみている。これから選出される閣僚の多くは、政治運営・統治の経験に欠け
 ることが予想される。民主党が圧倒的な過半数を獲得したとはいえ、同党は「反自民党」を
 1つの吸引力として統合された左派と右派の寄り合い所帯ともいえる。
・「外面上は1つの幸福そうな家庭に見えるが、日本の民主党には保守派から社会主義者まで
 様々な考え方の人々が集まっている」とアジア問題を問題を扱う下院外交小委員会に属する
 マンズロ議員(イリノイ州出身。共和)は述べる。
・民主党は、沖縄にある戦略的に重要な米軍基地の削減要求を含め、日米安保条約に盛られた
 詳細のいくつかを再考する、と述べている。何十年間にもわたって日米両国が「世界で最も
 重要な同盟」と呼び、米国は日本に多くを期待してきたが、こうした状態に比べ、民主党は
 言葉の上であるのかもしれないにせよ、より米国に距離を置こうとしているようにみえる。
・総選挙の直前に発表され、引用されることの多い小論を通じて、民主党代表の鳩山由紀夫氏
 は、「日本は、米国流のグローバリゼーションを振り払うべきである」と述べている。
 「日米関係は日本外交の重要な柱の1つではある」が、第1の柱というわけではなく、アジア
 とのより緊密な関係の構築を示唆している。
・自民党の敗北は、両国関係の重要な象徴的ターニングポイントである。1955年の自民党創設
 においては米国が重要な役割を果たした。当時は東西の冷戦が最高潮に達し、米国政府は
 ソビエト連邦に対抗する世界的な同盟の輪に参加する与党勢力を支援、時として、そうした
 勢力の創設を求めて、世界各国の国内政治にまで積極的に関与した。
・当時、米国政府の積極的な勧めを背景にして、日本の社会党を権力外に置くため、保守二大
 勢力(1つの勢力は鳩山氏の祖父にあたる鳩山一郎が率いていた)の合同によって自民党が
 誕生した。その後40年間、日本の政治は、第二政党の社会党がほとんど権力を掌握する確か
 なチャンスを持ち得なかったとはいえ、二大政党を中心にしながら展開されてきた。
・自民党は米国との長期に渡る緊密な関係の象徴でありながら、米国が外国の製品・サービス
 に対する市場開放の要求を強めたり、1991年の湾岸戦争時のように米国主導の世界的な優先
 課題に対して責任をもっと担うように要求するにつれて、両国間の緊張拡大の象徴とも捉え
 られた。
・米国側は、太平洋間の同盟関係を自民党があまりにも受け身に捉え、日本が十分な返礼もなく
 米国による安全保障の傘による保護を受け入れている、との不満を抱いている。
・1990年代の初めには、冷戦の終結が日本国内の政界再編につながり、自民党が一時的に権力
 の座を失った。民主党という形の信頼できる野党が形成されるまでには、それから10年以上
 を待たねばならなかった。
・鳩山氏を含めた民主党指導者の多数は、脱党して新党を結成する以前には自民党議員であり、
 これ迄と著しく異なったことを新政権は追求しないと思われる、と米高官は強調する。
・「民主党政権は、国際社会における従来以上の尊敬や注目、そして一体感を求めようとする
 だろう。また、それで構わない。日米間の関係は著しく強く、民主党政権がその関係を危険
 に晒したいと思っている、とは思えない」とマンズロ議員は述べている。
Unquote
ついでに雑感を・・・。
選挙が終わり、日本では面白おかしく色々なニュースが飛び交っている様だけど、期待の
民主党。マニュフェストを斜め読みした印象は余り強い印象はなかった。(当然、相対的な期待
感は持っていたけれど・・・)例えば、報道では特色として良く報道されている「子供手当」の話。

マクロの経済運営には短期的な景気問題と、長期的な成長問題の2つに分類できると思うが、
共にマニフェストで深く論じられているとは思えなかったし、大々的に歌われている財政措置
を通じて子ども手当を増やすことも、パイの分配の問題への解答であって、パイそのものが
大きくならない限り、肝心の生活水準の向上は難しいだろうし・・・。

一抹の不安はあるものの、いずれにしても歴史的な政権交代。確実に進歩を重ね、日本の政治
が世界にも誇れる日が1日も早く来るのを祈らずにはいられない。
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by Rossi-ny | 2009-09-01 22:22 | Thoughts | Trackback | Comments(0)